大人になると、スタイルが崩れていく人が多い。運動不足、食生活の乱れ、基礎代謝の低下。あらゆる要素が絡み合って、世界が人を太らせに来る。
スタイルが崩れた人は危機感を感じ、運動をして痩せよう、食事制限をして痩せようと決意する。が、学生時代に運動経験のある人ならばまだしも、運動経験のない人は何から始めればいいかわからず、ずるずると今まで通りの生活を続けることになる。そしてさらにスタイルが崩れていく。無惨。
ということで今回は、運動とは無縁の人間がボディメイクを始める時、どういう順で何をすべきかを解説する。体を引き締めたい、せめて腹周りの脂肪をなくしたいという人に是非読んで欲しい。
大人はスタイルが崩れるようにできている
学生までは、体の成長にエネルギーが回されるので基礎代謝が高くて太りにくいし、学校が体育の授業や部活動と言った体を動かすイベントを用意してくれる。
が、大人になると成長が止まって基礎代謝が落ちて太りやすくなり、体育や部活動もないので運動する時間を自分で確保しなければならない。あげく不規則な残業があろうものなら、運動習慣も食生活も乱れる。
社会は、食べなさ過ぎてやせ細る人や、暴飲暴食に走って太る人を量産する工場。
ちなみに、厚生労働省が公開した「令和元年国民健康・栄養調査報告」によると、20歳以上で運動習慣のある人の割合は、30%前後。実に3分の1が、運動から隔離された生活を送っている。
怠惰な自分を責めている人は安心してほしい。日本人はだいたい怠惰。
「努力しないまま綺麗な体が欲しい」
食生活は乱れ、運動習慣はない。しかし、引き締まった体が欲しい。誰もが一度は願うことだと思う。これだけ科学の発達した現代、そろそろそんな理不尽も叶っていい頃だ。
そんな人々を救うべく、人類の科学は進化を続け、ついに見つけ出した。人類、宇宙、すべての答え努力せず楽して怠惰なまま理想的なボディを手に入れる方法の答えを。
「努力しないまま綺麗な体が欲しい」へのたった一つの回答
努力せず楽して怠惰なまま理想的なボディを手に入れる方法はない。世界がはじき出した答え。そんなものがあれば寄の中でフィットネスジムというビジネスは駆逐されている。無理。食事管理をして、運動するより方法はない。無理。
というわけで、ぼくたちはこれから我慢と苦労をするんだという覚悟を胸に、ボディメイクへ挑む。偉大な先人たちの作り上げたボディメイクの基礎を頭に叩き込んで、実践していく。
筋肉をつけたいか脂肪を落としたいかを決める
ボディメイクで初めにやることは、筋肉をつけたいのか脂肪を落としたいのかを決めること。
「もちろん両方!」と言いたいだろうが、人間の体の性質上、筋肉をつけることと脂肪を落とすことは共存できない。筋肉をつければ一緒に脂肪もついて、体重が増える。脂肪が落ちれば一緒に筋肉も落ちて、体重が減る。我々は究極の選択を迫られる。
胸や腕を太くして体を一回り大きくしたければ筋肉をつける方針、腹周りやお尻のぷにっとした贅肉を失くしたければ脂肪を落とす方針をお勧めする。
ジムか自宅かを決める
次に、ジムでトレーニングをするか自宅でトレーニングをするかを決める。
効果の速さであればジムでトレーニング、手軽さであれば自宅でトレーニングがお勧め。
ジムのトレーニング
ジムと言っても色々な種類がある。詳細は以下を参照。
ジムの場合はまず、ジムにもは専属トレーナーをつけるパーソナルジムにするか、トレーナーのつかないフィットネスジムか公営ジムにするかを決める。
パーソナルジムのトレーニングのメリットは、トレーナーの言うとおりに行動をすればいいため、自分でボディメイクの知識をつける必要がないこと。
デメリットは、とにかく料金が高い。2か月で20万~30万円台は必要。
スポーツジムと公営ジムのトレーニングのメリットは、高価で自宅に置けないくらい巨大なトレーニングマシンを、月1万円程度で使い放題なこと。
デメリットは、トレーニングマシンの使い方やボディメイクの知識を自分で学ぶ必要があること。
自宅のトレーニング
自宅でのトレーニングのメリットは、ジムへの移動が不要で、気が向いたらその場で手軽にできること。
デメリットは、個人向けの小さなトレーニングマシンしか使えず、効果が出るまでジム以上に時間がかかる。
期間と目標体重を決める
次に、ボディメイクの期間と目標体重を決める。人のモチベーションは、いつまでに何をするかという目標がなければ保てない。
期間は、3か月後や半年後をゴールに定めたほうがいい。体重を増やすにせよ減らすにせよ、一日や一週間だと大きな変化がないので、あくまで長期目標。
目標体重は、1か月で1~2kgの増減を目安にするのがいい。体重の増加が大きすぎると筋肉以上に脂肪がつきすぎた状態だし、体重の減少が大きすぎるとシンプルに栄養不足で体調を崩す。
なので、5kg増減したければ2~3か月、10kg増減したければ半年くらいを目安に目標設定するのがいい。ボディメイクは長期戦。
自分の摂取していいカロリーを決める
ボディメイクの手段と目標が決まったところで、日々の食事に手を加えていく。ボディメイク=運動と思われがちだが、実は食事管理の方が大事。人間の体重を1kg増減させるためには7,200kcalが必要なので、この数字をベースに1日の摂取カロリーを決めていく。
まず、以下のサイトで、自分の活動代謝量(一日の消費カロリー)を知る。
で、目標設定した体重の増減値と期間から、1日あたり何kcalのの増減が必要かを計算する。例えば、1か月で2kg痩せることが目標とすると、「30日で14,400kcalを減らす」=「1日で480kcalを減らす」という具合。
で、自分の活動代謝から、1日あたりに増減させるkcalを加減算すれば、1日の摂取カロリーが算出できる。例えば、自分の活動代謝量が2000kcalで、1日に480kclを減らす必要がある場合、「2000-480」で1日の摂取カロリーが1520kcalという具合。
食事内容を見直す
1日の摂取カロリーが決まれば、普段の食事内容のカロリーをざっくり求めて、食事内容を見直す。最初は、どの料理が何kcalかよくわからないと思うので、「あすけん」がお勧め。料理名を入力すれば、自動的に1日の摂取カロリーを計算してくれる。便利。
また、PFCバランス(たんぱく質、脂質、炭水化物の摂取バランス)も意識して食べる必要がある。ざっくり言うと、鳥肉、魚、卵、大豆あたりを増やして、高たんぱく低脂質な料理を意識すればいい。ちなみにPFCバランスもあすけんがある程度出してくれる。便利。
食事内容を見直すのが手間であれば、弁当配送サービスを使って食事を置き換えるのもあり。
最近流行りの完全栄養食に置き換えるのもあり。
楽できるところは楽していく。
トレーニングの種目を決める
食事の見直しが終われば、いよいよトレーニングの種目を決めていく。
筋肉の量が多い場所を鍛えると筋トレの効果が大きいので、基本的には胸、脚、背中を中心にトレーニングすればいい。腕を肥大化させたいとか、胸板を厚くしたいという目標があれば、その部位も重点的に。
フィットネスジムでトレーニングする場合は、BIG3と呼ばれる「ベンチプレス」、「スクワット」、「デッドリフト」がお勧め。自宅でトレーニングする場合、「腕立て伏せ」、「スクワット」、「ハイリバースプランク」がお勧め。
3種目もするのが面倒な場合は、「スクワット」から始めるのがお勧め。全身の筋肉のうち、60~70%の筋肉は脚に集中しているので、脚のトレーニングが一番効果が大きい。
フィットネスジムのトレーニングなら週に3~4回、自宅でのトレーニングなら毎日が目安。
実践する
ここまで決まれば、後は実践する飲み。カロリーを意識しながら食事をとって、決めたトレーニング種目を粛々とこなしていく。
トレーニングは、姿勢を意識する。正しい姿勢でトレーニングしなければ効果が出にくくなるし、最悪の場合怪我する。YouTubeでいくらでも解説動画が出てくるので、見てから望んで欲しい。回数より、正しい姿勢。
モチベーションを維持するために、毎朝体重を測って増減具合を確認するのもいいし、ジムで友達を作ってもいい。SNSに結果を投稿して、反応がもらえれば、それもモチベーションになると思う。
結果にコミット
初めて一日二日は地獄だし、一週間経っても地獄。だって体は変わらないのに、ひたすら苦しいことばかり続けてるのだから。そりゃあ嫌になる。
が、1か月、2か月こつこつ真面目に続けると、体重に変化が起きるし、全裸になれば少しだけ体が変わってきたと分かる。半年も経てば、服の上からでも変化が分かり、周囲から「筋トレとかしてるの?」と言われるようになる。多分。
千里の道も一歩から。是非、日常に食事管理とトレーニングを組み込んで、いつまでも理想的なボディで過ごせるように頑張って欲しい。