ぼくがファッションに気を使い始めて、「メンズ ファッション 初心者」でググって、いつも思っていたことがある。
「初心者でも失敗しない服」とか「初心者お勧めのコーデ」とかが知りたいわけじゃないんだ。ぼくに似合う服の選び方が知りたいんだ。キレイめ・カジュアルだとか、シルエットだとか、専門用語を書かれてもわからない。何がキレイで何がカジュアル?
もしかしたら、初心者にはわかるんだろうけど、服を親に買ってもらってた超超超初心者のぼくにはわからなかった。
ということで今回は、超超超初心者から人並みのファッションセンスを得るために、どういう順で何をすべきかを解説する。ファッションセンスを磨きたいけど何をすればいいかわからない、と悩んでいる男性に是非読んで欲しい。
現在の自分はファッションセンス皆無だと認める
まず最初にやるべきは、現状認識。現在の自分にファッションセンスなんてないという残酷な事実を認めること。
ファッションに興味がないと声を大にして言ってる人でも、無意識のこだわりがある。具体的には、上下黒はダサいだとか、襟付きのシャツは大人っぽいとか、シャツの胸のワンポイントはオシャレだとか。
その感性をいったん全て捨てる。自分の感じるオシャレは全て間違っている、くらいに考えるのがベスト。
というのも、ファッションに気を使ってこなかった人間は、ファッションを見る目が養われていない。芸術に触れたことのない人間がピカソの絵を理解できない様に、ファッションに気を使ってこなかった人間はファッションの良し悪しが判断できない。
そもそもファッションセンスとは何か
そもそもファッションセンスとは、大多数の人が見て「オシャレだな」と感じる服をいかに選択できるかの能力。
そしてファッションセンスを磨くとは、大多数が好む服の組み合わせや色の組み合わせを知っていくこと。自分の持つ感性と自分以外が持つ感性を、擦り合わせていく作業となる。
世はまさに、大個性尊重時代
とはいえ、現代人は個性尊重病に侵されてるので、大多数の好みに寄せると聞けば、「自分の個性を出すことができないのか?」と感じるかもしれない。が、安心してほしい。大多数の好みに寄せられるということは、あえてはずして個性を出すこともできるということ。逆に、今まで以上に個性が出せる。
大多数の好みを知るということは、ファッションの基礎を理解すること。料理で例えると、ハンバーグの基本レシピを覚えるようなもの。基本レシピを知っているからこそ、アレンジが聞いて、私特製ハンバーグを作ることができるようになる。
ファッションの基礎を知らないまま個性を出そうとするのは、ハンバーグを作ったことのない人がレシピも見ずに「ぼくのかんがえたさいきょーのはんばーぐ」を作ろうとするようなもの。それは個性ではなく、無謀と呼ぶ。
オシャレな友達に連れて行ってもらう
さて、ファッションセンスを磨くための最初の行動だが、ずばりオシャレな友達に服屋さんへ連れて行ってもらうこと。初手から他力本願。友達は、自分の足りないところを補うために存在する。オシャレな友達がいない人は諦めて欲しい。
というのも、現在の自分はファッションセンス皆無。一人で行動しても、どの服を買えばいいのかわからないどころか、どこで服を買えばいいのかもわからない。なんなら、服屋がオシャレすぎて入店するの恐い、なんてことになりかねない。素直に助けを乞おう。
予算感だけ共有して、行く店も買う服も友達にお任せ。あっという間にオシャレの仲間入り。友人には、お礼を言って、ご飯を奢るのも忘れずに。
店の雰囲気に慣れよう
オシャレな友達が連れて行ってくれる服屋は、きっと今まで入ったことないくらいオシャレで気圧されるだろうが、遠慮なく友達の後ろに隠れよう。
必要なのは、オシャレな雰囲気に慣れることと、服の価格帯や店のシステムを把握すること。UNIQLOより高いし、店員さんが「何かお探しですかー」と声をかけてくる野生のポケモン遭遇型システムだと理解すること。
友達の言葉に聞き耳を立てよう
買う服も友達にお任せしている以上、買い物中はきっと暇になる。なので、暇な間は友達の言葉に聞き耳を立てよう。友達と店員さんとの会話も聞けたらなおよし。
友達がなにげなく発した「この色が似合いそう」とか「細身のパンツの方があいそうだな」とかを数学の公式を覚える気分で暗記する。他人の目から見た、自分に似合う色や種類の情報はとても貴重。お金払ってでも欲しい。
後、「レイヤードスタイル」だとか「ローファー」だとか、訊いたことない単語も英単語を覚える気分で暗記する。その場で友達に意味を聞いてもいいし、家に帰ってググってもいい。専門用語を覚えると、ファッション雑誌が読めるようになるし、店員さんとも会話しやすくなる。
人生は常に勉強。
後日、一人で来てみる
で、二週間後でも一か月後でもいいので、同じ店に一人で訪れてみる。一度入った服屋さんであれば、心理的な抵抗感も少なく入れると思う。無理なら、もう一度友達について来てもらってもいい。
服をもう一着買ってもいいし、小物を買ってもいいし、新商品を見るだけでもいい。店員さんが話しかけてくれたら、話すのもいい。知らないファッション用語がでてきたら素直に質問しよう。
仮に、言葉に詰まったり変なことを言ったとして、「あの店二度と行きたくない!」と思ったら、二度と行かなければいいだけの話だ。恥はかき捨て。
何度もオシャレな服屋さんに行くことを繰り返せば、雰囲気に慣れてくるし、ファッション業界でよく使われる用語の意味もぼんやりとわかってくるはずだ。
一人で探して一人で行く
服屋の雰囲気に慣れたところで、次は自分で店選びから始める。
お勧めは、店員さんが話しかけてきそうな店。複合商業施設の中に入っている、店員さんが店中見渡せる程度にこじんまりとしたブランドショップかセレクトショップ(複数のブランドを取り扱う店)が個人的に最高。何店か利用すれば、自分の好みが見えてくる。
店員さんが「何かお探しですかー」と近寄って来るので、「春物のシャツを探しててー」とか「夏用のズボンを探しててー」と答え、店員さんと会話しつつ、知りたいことを質問しつつ、ファッションの知識を身に着けていこう。
店員さんは何年もファッション業界にいる、ファッションのプロ。そんなプロの知識を服一着二着の料金で伝授してくれるから、服屋のコスパは異常。
繰り返すが、言葉に詰まったり変なことを言ったとして、「あの店二度と行きたくない!」と思ったら、二度と行かなければいいだけの話だ。恥はかき捨て。
一か月に一回通う習慣をつけて、一年も経てば春夏秋冬の服の特徴も掴めて、いつの間にかファッションの基礎は身についているはずだ。知識よりも実践。留学と一緒。
店員さんに聞きまくる
店員さんへは知りたいことを質問すればいいとは言ったが、思いつかなければ以下がお勧め。
- 今年の流行
- 店員さんのお勧め
- 今着ているシャツまたはズボンに合う服
- 今着ているシャツまたはズボンに合う色
センスのいい人のセンスをパクることが、センスを磨く最速。
雑誌やWEBサイトでコーデの幅を広げる
自分で店が選べるようになって、店員さんと話が成立するようになったら、ある程度ファッションのセンスが磨かれていると言っても過言ではない。いよいよ雑誌やYouTubeを駆使して、磨きを加速していく。
雑誌やWEBサイトの良い所は、圧倒的な数。ブランドショップやセレクトショップは、各ショップの色が強く、コーディネート(服の組み合わせ)が偏る。その偏りを、数で補正する。
色んな種類の雑誌を買って、色んなWEBサイトのコーディネートを見て、「こんな組み合わせもあるんだ」とコーディネートの幅を広げていく。WEBサイトの場合、個人の公開している物でなくアパレルショップ公式やファッションメディアの公開している物がお勧め。ファッション紹介を生業にしているインフルエンサーもお勧め。
ファストファッションを組み合わせる
何年か続けると、自分の服に自信がついてきたり、周囲から「オシャレだね」と言われ始める。ここまで来たら最後の仕上げ。UNIQLOやGUをはじめとしたファストファッションの服を取り入れてみる。
ブランドショップやセレクトショップで買った服は、身も蓋もない言い方をしてしまうと服そのものがオシャレ。誰が着ても、ある程度オシャレに着こなせてしまう。
対し、ファストファッションは無難かつシンプルで、着こなし方によって大きく印象が変わる。磨きに磨いたファッションセンスで試行錯誤し、ファストファッションを取り入れつつオシャレだと言われるようになれば、もうオシャレな男性の仲間入り。
ファッションが楽しいと毎日が楽しい
服は、誰もが毎日着なければならない。だからこそ、ファッションセンスに自信がつき、服を選ぶことが楽しくなれば、毎日が楽しくなる。
是非、ファッションなんて興味がないと言わずに、オシャレな服屋へ一歩踏み出して、ファッションを楽しんでみて欲しい。