日本の男性のスキンケアは壊滅している。筋トレをしてスタイルを気にしている男性でさえ、銭湯あがりに化粧水も乳液をつけず、更衣室を去っていく。狂気。
男性はスキンケアを気にしなくてもいいという風潮はあるが、ぼくは男性こそスキンケアをすべきだと考えている。なぜならコスパがいいから。
というわけで今回は、なぜ男性のスキンケアのコスパがいいのかと、スキンケアは何をすればいいのかを解説する。
男性はスキンケアをしない
日本の男性はスキンケアをしない。見た目だけでも若くいたいと筋トレに勤しむ美容意識高い系男子でさえ、スキンケアはしない。日本では、男性=筋トレ、女性=スキンケアという常識が根付いているのかもしれない。
2022年1月に株式会社ナリス化粧品が行った調査によると、15~54歳の男性のうち、スキンケアを「しっかりしている」と回答したのは僅か10.2%。まあまあしているを含めても、40.8%。実に半数以上の男性がスキンケアをしていない。狂気。
とはいえ、「半数近くもしているなら、男性はスキンケアをしないと書くのは言い過ぎじゃない?」と思うかもしれないが、安心してほしい。ここからさらに、男性の狂気を深堀していく。
そのために、男性が使用しているメンズスキンケア用品の内訳を見てみる。以下は、スキンケアを「全くしていない」と答えた以外の男性(全体の約75%)に対し、使用しているメンズスキンケア用品を選んでもらった結果の表。
おわかりいただけるだろうか。スキンケアをしていると答えた男性でさえ、化粧水、乳液、日焼け止めなどを使っている割合は半数以下。狂気。
唯一、洗顔料だけが半数を超える。つまり、男性の「スキンケアしている」は、「ちゃんと顔を洗っている」と読み替えることができる。スキンケアに重要な保湿や日焼け止めが、まるっと無視されている。狂気。
もちろん洗顔もスキンケアにとって重要な行動ではあるが、洗顔料を使って洗顔しただけだと、ケアどころか肌にダメージを与えかねない。
日焼け止めの使用率が16.9%なのもシンプルにやばい。紫外線という、肌にダメージを与える凶器に対してあまりにも無防備。戦場に全裸で立っているレベル。狂気。
スキンケアをしないと老ける
さっきから狂気狂気と連呼してるが、ではスキンケアをしないと何がまずいかというと、シンプルに老ける。
肌のハリがなくなって、顔にシミが点々と現れ、シワが深々と刻まれる。
「いや俺、全然老けてないし」って人は、一度スキンチェッカーを使って自分の肌の状態を確認してみることをお勧めする。
せっかく筋トレでスタイルを維持していても、顔が老けていたら台無し。割れた腹筋は努力のたまものですごいと思うが、人間は服を着ているので、普段腹筋を見せながら生活していない。真っ先に他人に見られるのは、常に露出している顔と首と手。
真っ先に他人に見られる場所をケアできるスキンケアは、最強の美容。
男性のスキンケアはコスパがいい
特に男性は、女性よりもスキンケアのコスパがいい。理由は、ライバルが少ないから。
2022年4月にdanCEが行った「美容意識に関する調査アンケート」によると、男性は美容のための行動が運動中心。「加湿・保湿」といったスキンケアはランク外。男性はちょっとスキンケア(加湿・保湿)して綺麗な肌を作るだけで、周囲から頭一つ抜きんでることが可能。完全にブルーオーシャン。
また、運動をするためには毎月1万円のフィットネスジムを契約して、週に数回フィットネスジムへ通うという、時間とお金のコストがかかる。対して、スキンケアは毎月3,000~4,000円のメンズスキンケア商品を買って、自宅の洗面所でケアするだけ。超低コスト。
短時間低価格で大きな差別化。スキンケアはコスパが良すぎる。
結局、何から手をつければいいのか
では、スキンケアは何から始めればいいかだが、ぼくは以下の順で始めることを勧める。
- 鼻パック
- 洗顔
- 日焼け止め
- 保湿(オールインワンジェル)
男性は顔や体に何かを塗りたくる習慣がないので、日焼け止めや化粧水を気持ち悪いと感じる可能性が高い。なので最初は、短時間で終わることから始めていく。
鼻の黒ずみがあれば鼻パックする
もしも鼻の黒ずみが目立つのであれば、すぐに鼻パックをする。
鼻は、人間の顔のど真ん中にあってとても目立つし、「あれ、この人、ちゃんとお風呂入ってるのかな?」と思われて、清潔感とは真逆の評価をもらう可能性さえある。
お風呂上がりに鼻に鼻パックを貼り付けて、しばらくして剥がす。これを週に2~3回繰り返せば、不潔の象徴である鼻の黒ずみもある程度とれる。お勧め。
ただし、肌への負担が大きい方法ではあるので、40代以上の人や黒ずみがそこまでひどくない人は、鼻パックを避けて洗顔で落としたほうがいい。
肌に優しい洗顔をする
お風呂でシャワーを浴びる時、ついでに顔にもシャワーを当てて洗顔してる人はすぐやめて欲しい。肌がダメージを受ける。肌はデリケート。
洗顔のポイントは、以下の六つ。
- 朝と夜の二回だけ洗う
- 清潔な手を使う
- ぬるま湯を使う
- 洗顔料を泡立てて使う
- 顔をごしごし擦らない
- 清潔なタオルで顔を拭く
繰り返すが、肌はデリケート。優しく優しく扱う。
洗顔のやり方の解説は下記。
日焼け止めを塗る
外出時には、必ず日焼け止めを塗る。
実は、肌が老化する原因の8割は紫外線と言われている。つまり日光は老化の大敵。日焼け止めは、老化を防止するための最重要アイテムだと言ってもいい。
日焼け止めは、コンビニやドラッグストアで簡単に買える。「SPFの隣の数字が30以上」、「PAの隣の+が3個以上」、「ウォータープルーフ」、と書かれている日焼け止めがお勧め。
また、室内にも紫外線は容赦なく入って来るので、カーテンをUVカットがついたものに買い替えるのもお勧め。
とにかく肌を紫外線から守ることが重要。
日焼け止めの選び方は下記。
オールインワンジェルで保湿する
洗顔後は、必ず保湿をする。
洗顔は顔の汚れを落としてくれると同時に、顔にあった肌のバリア機能を一時的に壊してしまう。そのため、外部から保湿し、バリア機能が弱まった肌を守る必要がある。
保湿は、化粧水を塗って乳液を塗る、という方法が一般的だが、最初は何度も塗るのを手間に感じると思う。なので、とっかかりとしてオールインワンジェルを勧める。オールインワンジェルは、化粧水と乳液が一体化したメンズスキンケア商品で、メンズスキンケア界のリンスーインシャンプーみたいな存在。
保湿の結果が肌に現れるまで4週間はかかるので、気長に待ってみて欲しい。
後、肌とオールインワンジェルの相性が悪いと逆に肌荒れを起こすので、荒れたと思ったら即使うのを止めて別のオールインワンジェルを探す必要がある。もったいないと惰性で使い続けても肌を悪くするだけ。すっぱり切り捨てが大切。恋愛と同じ。
【室内環境も大切】湿度は60%設定
ちなみに、肌へ日焼け止めや化粧水を塗るのと同じくらい、肌にとって優しい室内環境を整えるのも大切。
肌にとって優しい室内環境とは、以下の2つを実現できる湿度のこと。
- 肌の潤いが保たれる
- 寝具の清潔感が保たれる
肌の潤いが保たれる湿度
ダイニチ工業の公式サイトで連載されているマイニプラス「美肌は空気の加湿から! 50代で肌年齢20代の皮膚科医が教える、肌の正しい保湿方法と加湿の美容への効果」には、「うるおいのある美肌のためには、湿度は高いほうがベター。理想は60~65%です」との記載がある。つまり、肌の潤いが保たれる湿度は、60~65%
寝具の清潔感が保たれる湿度
寝具の清潔感を保つには定期的な寝具の洗濯と、寝具上に発生するダニを抑制することが重要。洗濯はするしかないとして、ダニの抑制にも湿度が関係している。
ASHRAE(アメリカ暖房冷凍空調学会)が公開している「相対湿度と微生物等の相関図」によると、湿度が40%より低ければウイルスの活動が活発になり、湿度が60度より高ければカビやダニの活動が活発になる。つまり、寝具の清潔感が保たれる湿度は、40~60%となる。
湿度を60%に保つ加湿器
上から分かるように、肌の潤いと寝具の清潔感を保つためには、室温を60%に維持することが必須。そして室温60%を維持するためには、加湿器が必須。
個人的には、空気清浄機能もついている以下がお勧め。
見た目の若さが中身も若くする
「人は見た目より中身」だと言われるけど、毎日鏡を見てどんどんシミやシワが増えていく自分を見ると、テンション下がって心まで老けてしまうと思う。どうせ老けるなら、美しく老けたい。「肌綺麗だね」と言われれば、嬉しいしテンション上がるし、活力になる。
今からでも遅くはない。今日からメンズスキンケアを始めれば、明日始めるよりも老化は遅くなる。いつまでも若々しく元気でいるために、是非メンズスキンケアデビューをして欲しい。