令和5年は、2,980円ジムが従来のジムよりも安価な月額をアピールしつつ、どんどん店舗を拡大していった年だった。で、この度LifeFit(ライフフィット)がさらなる値下げと言う一手を打ってきた。
嘘だろ。まだ安くなるのか。
という訳で今回は、LifeFitの値下げによってジム業界がどう変わっていくかの持論を語っていく。結論から言うと、今は何も変わらない。
中上級者の需要も満たす2,980円ジムのLifeFit
LifeFitは、「やすくて、手軽で、通いやすい」次世代フィットネス型ジム。2,980円ジムの代表格の一つ。
特徴としては以下。
- 月額2,980円(税抜)
- 24時間365日通い放題
- マシンもフリーウェイトスペースもあり
簡単に言うと、既存の1万円前後のジムの設備をそのままに、月額料金を大幅に減らしてきたジム。筋トレもできるし、有酸素運動もできる。
詳細を知りたい人は、公式がnoteを書いているから読んで欲しい。
今までの料金形態は都度払いと月払い
そんなLifeFitは今まで、以下の2種類の料金形態を展開していた。
月払い(30日間)の定期チケットと、都度払い(1回)の都度チケット。
プラン | 料金 | 備考 |
定期チケット | 2,980円 | 30日間通い放題 |
都度チケット | 500円 | 1回利用 |
もちろん、入会金・手数料もなし。チケットを買うだけの明朗会計。
新たに半年払いと年払いが追加
で、2024年1月時点、LifiFitが新しいチケットを2つ追加していた。
それが、360日プランと180日プラン。
プラン | 料金 | 30日当たりの料金 | 備考 |
360日プラン | 29,800円 | 約2,483円 | 360日間通い放題 |
180日プラン | 15,980円 | 約2,663円 | 180日間通い放題 |
定期チケット | 2,980円 | 2,980円 | 30日間通い放題 |
都度チケット | 500円 | – | 1回利用 |
ただでさえ安かった月額2,980円を、半年または一年の継続利用条件を付けることで、さらに下げてきた。
ジムを1年以上継続する予定のある人は、月額500円が浮く計算。コーヒーが飲める。
最も安い2,980円ジムはLifeFit
360日プランと180日プランの登場で、LifeFitは「2,980円ジムの中で最も安いジム」という称号を得た。
同業他社が、2,980円という月額料金の中でいかに付加価値をつけるかで競っている中、2,980円の前提を壊しててきた。楽天モバイルもびっくり。
これからジムを探す人にとっては、一番安いジムというのはとても魅力的で、近くにあればまっさきに候補にあがるジムとなるだろう。
年払いで2,980円になるジムが割高に見える
さらに、LifeFitが「年払いで2,980円からさらに安くなる」という前例を作ったことで、「年払いにすれば月額2,980円になる」と謳っている2,980円ジムに割高なイメージを植え付けた。
具体的に言えば、FIT PLACE24の安いというイメージが崩れた。
FIT PLACE24の料金形態が以下。
プラン | 月額料金 | 備考 |
プレミアム会員 | 2,980円 | 12ヶ月の継続条件有り |
スタンダード会員 | 3,980円 | 6ヶ月の継続条件有り |
ライト会員 | 4,980円 |
泉の中から女神が出てきて、「貴方が通いたいのは、年払いすれば2,980円より安くなるジムですか?それとも、年払いしてようやく2,980円になるジムですか?」と聞かれたら、間違いなく前者を選ぶ。
FIT PLACE24に通っている友人も、「近くにLifeFitがあれば乗り換えてた」と嘆いていた。
月500円安いことが立地の壁を超えるかは微妙
とはいえ、友人の嘆きからもあるように、「年払いで2,980円からさらに安くなる」が立地の壁を超えられるかは微妙。
年間29,800円で2ヶ月分無料と言えば聞こえはいいが、所詮は月500円安くなるだけ。
月5,000安いほどのインパクトはない
エニタイムフィットネスの月額8,000円が最安と言われた時代に、月額2,980円のジムが登場したインパクトは大きかった。なにせ、月5,000円が浮く。
月に5,000円が浮けば、美容院にも行けるし、飲み会にも行ける。月3万円のお小遣いからなんとかジム代をひねり出してた世のお父さん、大歓喜。
少しくらい遠くても、乗り換えようかなって気にはなる。
しかし、月額500円の差は、そこまでのインパクトがない。徒歩十分の2,980円と徒歩三十分の2,483円なら、500円で片道20分を買うと思う。
そもそも住み分けがされていた
そもそも論で言えば、LifeFitは180日プランと360日プランを出す前から、2,980円ジムの最安に君臨していた。つまり、立地が悪くても1円でも安いジムを選びたいって人は、既にLifeFitに入会済み。
フリーウェイトを必要としない人やセルフ脱毛もしたい人はChocoZAP、近くにLifeFitがない人や山澤礼明さんの大ファンの人はFIT PLACE24と住み分けができていた。
月額料金を下げたところで、この住み分けが変わることはない。
だって、元からLifeFitは最安だったんだから。
【結論1】値下げは既存会員へのお年玉
という訳で結論としては、今回の180日プランと360日プランは既存会員へのお年玉。
「昨年はLifeFitをご愛用いただきありがとうございました。今後も末永くよろしくお願いします」という感謝の気持ち。
半年以上LifeFitを継続してきた既存会員は、さっさと180日プランか360日プランに切り替えて、感謝を受け取るのがいいと思う。
【結論2】今すぐ同業他社からの乗り換えは起きない
そして、値下げによって今すぐの同業他社からLifeFitへの乗り換えは起きない。理由は住み分けのくだりで説明した通り。
今LifeFitに行きたい人は、すでに行っている。行きたいけど近くにない人が行ってない。
【結論3】店舗数が増えた時に真価を発揮する
じゃあ値下げは無駄だったのかと言えば、そんなことはない。この値下げは店舗数が増えた時に真価を発揮する。
立地の都合でLifeFitを選択肢にできない人に対して、「自宅の近くにLifeFitができたら即座に乗り換えてくださいね。LifeFitはどこよりも安いですよ」というアピール。
2025年までの1000店舗目標
そして、自宅の近くにLifeFitがある環境の準備も、着々と進んでいる。
LifeFitは2025年までに1000店舗を目標にしている。なお、1000店舗と言うのはエニタイムフィットネスとほぼ同じ数。
2024年はLifeFitは安いですよとアピールする期間。2025年は安いジムを探す人たちの近くに店舗を置く期間。
店舗数の少なさを克服した2025年、2,980円ジムとエニタイムフィットネスからLifeFitへの大規模乗り換えが起きるのではと予想している。
【余談】1100店舗達成済みのエニタイムが最強
LifeFitの話は以上。
ここからは余談だが、記事を書いてて、通いやすさを決める店舗数は重要で、国内に1100店舗を展開しているエニタイムフィットネスは強いんだなと再確認。
エニタイムフィットネスは、令和5年の2,980円ジムの台頭などものともせず、月額8,000円前後のまま着実に店舗数と会員数を伸ばし続けている。
以下は、株式会社Fast Fitness Japanの2024年3⽉期第2四半期決算説明資料から作成した、エニタイムフィットネスの店舗数と会員数のグラフ。
とはいえ、chocoZAPがエニタイムフィットネスの店舗数を一瞬で抜き去っていったことから、他の2,980円ジムがエニタイムフィットネスの店舗数を一瞬で追い抜く可能性は十分にある。
そうなった時、エニタイムフィットネスが月額料金を下げるのか、それともより多くの付加価値をつけてくるか、静観してブランド力だけで生き残るか、いずれにせよ何かの動きはあるかもしれない。
2025年はフィットネスジムの在り方が変わりそうで、楽しみにしている。
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